”自立のための3歩の住まい”|ファルマバレープロジェクト
こんにちは加藤です。
先日、駿東郡長泉町のファルマバレーセンター内にある『自立のための3歩の住まい』プロジェクトのモデルルームを見学させていただきました。
『自立のための3歩の住まい 』は静岡県が推進するプロジェクト。
”介護のための住まいではなく、健康寿命が尽きた高齢者がどう自立して生きていくか”ということがテーマ・・・個人的にはこの”介護のためではなく自立のための住まい”というところに惹かれました。
モデルルームは『ベッドから3歩以内にトイレ、洗面、浴室(シャワー)があって自立した暮らしを助ける』というコンセプト。
ベッドを中心に室内にトイレや洗面、浴室(シャワー)を設けたり、音声で照明やTVのON-OFFなどができたり、インターネットをつかった家族や社会とのつながりを提案してみたり間取り的なハード面だけではなく設備機器などAIなどのテクノロジーを使ったソフト面の進化がとても印象的でした。
人生100年時代。人生の最期をどう過ごしていきたいかは人それぞれ想いも違うと思いますが、今回見学したモデルルームは”自宅でそして自分で”というキーワードで、高齢の単身者を想定して設計されていました。身体が衰えてきてもトイレやお風呂(シャワー)、洗面など”最低限、身の回りのことは自分でしていきたい”ある種人間の尊厳や死生観に繋がるデリケートなところだけに弊社としても多様なニーズに応えれるようにしていきます。
最後に今回見学したファルマバレーさんで提唱されていた自立のための特徴とその要素がまとめられていたのでMEMOとして記載します。
弊社としても今後の設計に役立てていきたいと思います。
MEMO|自立のための4つの特徴と3つの要素
自立のための4つの特徴
- 3歩の住まい
- 医療介護の部屋
- AIやロボットの利用
- 社会や家族とのつながり
設計するための3つの要素
自立のための4つの特徴を踏まえ実際の設計に落とし込んでいくための3つの要素
①空間設計
日常生活に必要なトイレ、風呂(シャワー)、洗面を部屋の中に設け、ベッド脇に配置。
住宅全体ではなく、ひとつの部屋の中に生活のための機能を集中させています。
その他、空間の快適性や健康性を高める暖冷房設備や換気設備や空気清浄などの計画も大切になってきます。
②設備設計
高齢者が自立して生活するためには、水廻りの改修が不可欠です。
例えば、トイレは大がかりな配管工事が不要な移動可能な水洗トイレにしてみたり、浴室をシャワー浴対応のユニットバスにしたり、転んだ時の衝撃を吸収してくれる床材に変えてみたりなど、住宅設備を改修することで自立した生活を援助することが可能です。
検討すべきサニタリー
・トイレ、洗面、浴室(シャワー)
居室として検討するもの
・ベッド、床材、壁材、手すり、移乗支援
③生活支援
家族や社会とのつながりを持つことは、孤独感の軽減や精神的な安定につながります。ただ現実、家族との距離が遠くなりコミュニケーションが取りにくくなるケースも多いと思います。そういう時はインターネットをつかって家族とのコミュニケーションをとったり、また病院や介護士さんなどとコンタクトをとったり、WEB内でコミュニティを形成したりして社会とつながる環境を整えたりするもの有効な手法になります。