うさぎと一緒に暮らす家 お庭づくり編
![うさぎと一緒に暮らす家お庭づくり編](https://katouke.com/wp-content/uploads/2024/04/25859752_s.jpg)
あなたにとって、ペットとはどんな存在ですか?
時に我が子であり、兄弟であり、親友であり、相棒であり。
癒しや安らぎを与えてくれるかけがえのない存在だと感じている方が多いのではないでしょうか。
家を建てたらペットを飼ってみたい
大切な家族であるペットと一緒に心地よい家で暮らしたい
と考える方は少なくありません。
中には、ペットのために家を建てたいという方もいるかもしれませんね。
『うさぎと暮らす家 室内環境編』では、犬や猫に比べれば少数派とはいえ、一緒に暮らしてみるとその可愛さの虜になってしまう飼い主さんが多い「うさぎ」にフォーカスし、うさぎと人が丁度良く暮らせる室内環境やお部屋のレイアウトについてご紹介しました。
この記事ではうさぎと一緒に暮らす家をさらに楽しく掘り下げ、お庭づくりについてご紹介します。
自宅にうさぎが遊べるお庭をつくろう
本来、飼いうさぎは外を散歩する必要がないと言われています。
ですが、中には可愛いハーネスをつけて公園などをお散歩するうさぎさんもいます。
『うさぎと暮らす家 室内環境編』でもご紹介した通り、うさぎは室内飼いが基本。
だからこそ、青空の下で遊ぶ姿を見てみたい!というのは多くのうさ飼いさんの憧れなのですよね。
ラビットランが近くにあれば良いですが、ドッグランほど身近ではないのが現状です。
気軽に公園などで散歩(通称うさんぽ)させられないのは、心配事がたくさんあるから。
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お散歩中の犬や猫に遭遇したら?
空からカラスやとんびに狙われたら?
パニックになってハーネスが外れてしまったら?
除草剤が撒かれた場所で草を食べてしまったら?
もし、自宅のお庭で安全に遊ばせることができれば、そんな心配も少しは軽くなるのではないでしょうか。
もちろんお庭づくりには、敷地の余裕と定期的なお手入れが必要。
ですがそれ以上に「うさぎとの暮らしを楽しむ」という、かけがえのない時間を過ごすことができると思います。
うさぎが遊べる庭づくりのポイント
うさぎのためのお庭づくりには、いくつかポイントがあります。
楽しく遊ばせてあげるためには安全への配慮が欠かせません。
また、大前提として、うさぎを屋外で遊ばせる時には絶対に目を離さないようにすることも大切です。
うさぎのための庭づくり 広さと仕上げ
小型~中型種のうさぎさんが1羽の場合、お庭の広さは1坪(タタミ2枚分)程度あれば十分に遊べます。
あまりに広くて見失ってしまうようではちょっと心配。
飼い主さんの目が行き届くくらいが丁度良いでしょう。
お庭の仕上げ(地面)も大切です。
一部であれば問題ありませんが、アスファルトや砂利などの硬い仕上げは足裏に負担がかかります。
クッション性がある芝生や人工芝、ウッドチップなどを敷いてあげましょう。
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もちろん土でも大丈夫。
ただし、土の場合は掘りたくなるのがうさぎの習性。
土で遊んで泥んこ状態になってしまったら、家に入るのが少々ためらわれますよね。
犬のようにシャワーで洗い流すのは強いストレスになるため、濡れタオルで足裏をサッと拭く程度にとどめるのが良さそうです。
囲いは細かく隙間なく
うさぎは逃げ足が速く、茂みや物陰に隠れるのが得意。
もし脱走してしまった場合、保護するにはかなりの困難が予想されます。
本来うさぎにとって、捕まることは死を意味します。
ただでさえ警戒心が非常に強い動物です。
知らない環境に出たことでパニックになり、必死に逃げようとするでしょう。
飼い主さんの声掛けにも驚いてしまうかもしれません。
お庭をラビットランにするには、しっかりした囲いが必要。
脱走できないように周囲を隙間なく囲うようにしましょう。
![囲まれたお庭](https://katouke.com/wp-content/uploads/2024/03/1417004_s.jpg)
うさぎは狭いところに入るのが大好きなため、生垣では簡単に突破されてしまいます。
囲いをつくるときの目安
囲いは塀(板塀、コンクリート、タイルなど)・フェンス等、隙間の少ないもの
隙間はうさぎの目と目の距離よりも狭く
高さは最低でも1m
1mの高さというと、猫なら軽々飛び乗れる高さ。
猫の侵入を阻止するという意味では、少々心許ないかもしれませんね。
ただし、うさぎの脱走対策としては有効です。
ジャンプが得意なイメージを抱かれがちなうさぎですが、得意なのは垂直方向(高跳び)よりも水平方向(幅跳び)。
猫のように高い塀にひらりと上ったりはできません。
「しっかり囲っていても脱走が心配」という場合は、うさぎ用のハーネスを使うと安心です。
トンネルや植栽で隠れられる場所を
お庭に出してあげると大喜びで走り回るうさぎもいれば、ちょっと尻込みしてしまううさぎもいます。
人間と同様、それぞれ個性があります。
しかし、基本的に慣れない場所では慎重に行動する動物。
遊び場の一部に隠れられる場所をつくってあげると、より安心して過ごしてもらえます。
隠れ場所の例
低木の茂み
トンネル
ベンチの下 など
![茂みに隠れるうさぎ](https://katouke.com/wp-content/uploads/2024/03/2096027_s-1.jpg)
隠れ場所は、身体が温まって休憩したくなった時に体温調節ができる日陰にもなります。
飼い主さん用のベンチを置いておくだけでも、ベンチの下がちょうど良い隠れ場所になりますよ。
美味しいものを植えよう
飼いうさぎの主食に望ましいとされているのは、乾燥した牧草。
栄養を補うためにうさぎ用のペレットフードも適量与えるのが基本です。
生野菜や果物は水分や糖分が多いため、おやつ程度にあげるのが健康的と言われています。
うさぎの好物と言えば人参と思われがち。
ですが、実際にはオレンジ色の根の部分よりも、柔らかい葉っぱを好む子の方が多いようです。
また、いわゆる雑草と呼ばれる身近な草花にも好物がたくさんあります。
せっかくうさぎのためのお庭を作るなら、うさぎが喜ぶ美味しいものを植えても楽しそうですよね。
うさぎが食べられる身近な植物
クローバー(シロツメクサ)・オオバコ・ナズナ・ハコベ・ヨモギ・タンポポ など
![うさぎの好きな野草](https://katouke.com/wp-content/uploads/2024/04/77bb91f88cb999454a0aec5e70d18152-1024x213.jpg)
その他にもハーブ類や小松菜・大葉・大根葉など、比較的手軽に栽培できる植物もあります。
一方で、毒性があり食べてはいけない草花もあります。
【注意‼】うさぎが食べてはいけない植物
オナモミ・カタバミ・ドクニンジン・ヒガンバナ・チョウセンアサガオ などの野草
アジサイ・アヤメ・キキョウ・キンポウゲ・スイセン
スズラン・チューリップ・ニチニチソウ・パンジー などの園芸植物
毒性のある植物は見た目だけでは種類がわかり難いものも多数あります。
明確に種類がわからないもの、食べても大丈夫か判断がつかないものは絶対に与えないようにしましょう。
中には食べられる植物でも口にしたがらないうさぎさんもいます。
牧草やラビットフードで栄養がとれているうさぎにとって、おやつは必要不可欠なものではありません。
うさぎの好みと相談しながら、食べ過ぎない程度に楽しめるといいですね。
ほりほりスペース
飼いうさぎの祖先は、穴を掘って暮らすアナウサギ。
その名残のためか、室内では布などを両手でほりほりする行動が見られます。
しかし、場合によってはタタミがぼろぼろになってしまったり、ソファーカバーに穴が開いてしまったり。
飼い主さんにとっては悩みの種になることも。
そんなほりほり好きなうさぎさんのために、専用のほりほりスペースを作ってみてはどうでしょう。
作り方は簡単。
お庭の一部に砂やウッドチップを入れたスペースを作るだけ。
専用スペースなら、思う存分ほりほりできます。
一生懸命ほりほりする姿はとても可愛いですよ。
![穴を掘るうさぎ](https://katouke.com/wp-content/uploads/2024/04/28973204_s.jpg)
うさぎをお庭で遊ばせる際の注意
前述したとおり、うさぎを外で遊ばせる時には必ず見守りが必要です。
うさぎさんが安心できる隠れ場所を確保しつつ、遊び場全体に目が行き届くようにしましょう。
除草剤や殺虫剤は禁忌です。
毒性のある植物が自生する可能性もあります。
体の小さなうさぎにとっては、少量を口にしただけで命に関わることもあるため注意が必要です。
お庭に出してあげる前に、見慣れない植物が生えていないかを一通りチェックすると良いですね。
人間の赤ちゃんの公園デビューと同じように、まずは短時間から。
子うさぎのうちは遊ばせない、暑さや寒さ、悪天候は避けるなどの配慮も必要です。
さいごに
筆者の家にはネザーランドドワーフという小型のうさぎがいます。
家の中では自由気ままに過ごしていますが、実は窓から入ってくる外の空気を感じただけで部屋の奥に逃げてしまう臆病子です。
だからお庭で遊ぶのはとても苦手。
外ではぬいぐるみのように動かなくなってしまうため、外にはあまり出しません。
うさぎに限らず、ペットにもそれぞれの個性があります。
人間と同様、好き嫌いや得意と苦手があります。
ペットも心地よく暮らせる家づくりは、その子の個性をよく見極めるところから
なのかもしれませんね。
■この記事を書いたひと