洗濯家事の困りごとをまるごと解消 ランドリールームのある間取り
- 1. 洗濯家事にはこんなにたくさんの工程が
- 2. 洗濯家事にまつわる困りごと
- 3. ランドリールームとは
- 4. ランドリールームを作ると、こんなに便利
- 4.1. 24時間、いつでもお洗濯
- 4.2. 外の環境から衣類を守る
- 4.3. 作業を一ヵ所にまとめて家事を効率化
- 5. ランドリールームを設けるデメリット
- 5.1. 予算、床面積を圧迫することも
- 5.2. 湿気や生乾きが心配
- 6. ランドリールームの配置と広さの目安
- 6.1. 配置によってランドリールームの役割は変わります
- 6.2. 配置決めで大切なのは家事動線
- 6.3. 広さの目安
- 7. ランドリールームを作る際に配慮したいこと
- 7.1. 収納は間取りと広さによって検討を
- 7.2. 生乾きを防ぐ湿気対策
- 8. 事例紹介
- 8.1. 事例 1) 回遊性を活かしたランドリールーム
- 8.2. 事例 2)外干しも簡単 コンパクトな家事動線を実現するランドリールーム
- 9. さいごに
洗濯は生活の基本である「衣食住」の「衣」にまつわる、暮らしに欠かせない家事です。
全自動洗濯機が普及した今も、干す、取り込む、畳む、しまうなど工程が多く、効率化し難い家事のひとつでもあります。
特に忙しい共働き世帯や子育て世帯にとって、家事を楽にすることは心の余裕を生み出すことに繋がりますよね。
「食」は全自動調理器や食器洗い乾燥機があると、とても便利。
簡単に調理できる食材の宅配システムを利用するという手もあるし、テイクアウトや外食という選択肢だってあります。
「住」はロボット掃除機にお任せすれば、家族が仕事や学校に行っている間にお家をきれいにしてくれます。
エアコンや水廻りなどは週末に集中的にお掃除したり、外注するという方もいらっしゃるでしょう。
でも、日々の洗濯に関しては、全てを機械や外注に頼るということが難しいのです。
洗濯家事にはこんなにたくさんの工程が
洗濯にまつわる家事には、実に多くの工程があります。
主な作業は「洗う」「干す」「畳む」「しまう」の4つ。
ですが、その他にも細かい工程が存在し、思いのほか手間がかかるものです。
洗濯家事にまつわる困りごと
これだけ多くの工程をこなさなければならない洗濯家事。
動線がまとまっていないと家の中をあちこち移動しなければならず、効率が悪いですね。
ほかにはどんな困りごとがあるでしょうか。
・ 急な雨に対応できない
・ 帰宅が遅くなると、せっかく乾いた洗濯物が冷たくなってしまう
・ 朝はバタバタしていて洗濯をする時間がない
・ 重い洗濯物を持って階段を上がるのが大変
・ 外干しはPM2.5や黄砂、花粉などが気になる
・ 室内干しは生乾きの臭いや雑菌の繁殖が気になる
・ 雨の時に室内干しする場所がなくて困る
こんな困りごとに悩まされている方にこそ、ランドリールームのある間取りがおすすめです。
ランドリールームとは
ランドリールームは、洗濯に関する家事を効率よく行うための専用スペースです。
「洗う」「干す」「畳む」「しまう」という一連の作業を行うために、洗濯機、乾燥機、物干し竿、洗濯物を畳む作業台、アイロン台などを備えることが多いです。
ただし、ランドリールームに決まった形態があるわけではありません。
その役割が「干す」「畳む」「しまう」だけの場合もあれば、「洗う」「干す」だけの場合もあります。
また、脱衣室がランドリールームを兼ねているケースもあります。
間取りや家族の暮らし方の兼ね合いによって、ランドリールームにも様々な形があるのです。
ランドリールームを作ると、こんなに便利
ランドリールームを設けると、助かることがたくさんあります。
今まで悩んでいた洗濯家事の困りごとが解消されれば、日々の小さなストレスも軽減できるかもしれませんね。
24時間、いつでもお洗濯
ランドリールームがあれば、24時間、いつでも洗って干すことができます。
夜、仕事から帰宅してから。
朝起きる時刻にタイマーを合わせて早朝に。
風が強くても、雨が降りそうな日でも、安心して干しておくことができます。
外の環境から衣類を守る
外干しした洗濯物はふんわりと乾いてお日様の匂い。
とても気持ち良く感じるものですよね。
しかしその一方で、最近ではPM2.5や黄砂、花粉などが気になって、敢えて外干しはしないという方も増えています。
室内に物干しスペースがあれば、リビングが洗濯物だらけになって困ることもありません。
作業を一ヵ所にまとめて家事を効率化
ランドリールームがあることで何より便利なのは、家事の効率化が図れることです。
今まで、洗濯は家じゅうのあちこちに足を運んで行うのが当たり前になっていませんでしたか?
「洗う」(洗濯機をまわす)のは 脱衣室
「干す」のは バルコニー
「畳む」のは リビング
「しまう」のは 各個室
これらをランドリールームにまとめたらどうでしょう。
シンプルな動線で、効率良く家事をこなせるはずです。
ランドリールームを設けるデメリット
あると便利なランドリールームですが、導入するにはデメリットもあります。
魅力的だからこそしっかりと把握しておきたいですね。
予算、床面積を圧迫することも
ランドリールームを作るには、それなりの広さが必要です。
一般的に、床面積が広くなれば建築費用がかさんでしまうもの。
限られた予算、床面積の中でスペースを確保するのが難しい場合もあります。
なんとか狭いスペースに収まったとしても、余裕のない空間で家事をするのは却ってストレスになってしまうことも。
場合によっては他のスペースを少し削る必要が生じるかもしれません。
ランドリースペースにどれだけの役割を求めますか?
その役割を満たすには、どのくらいのスペースが必要でしょうか。
他のスペースを削ることになってもランドリールームが欲しいと考えるかどうか、ご家族のニーズ、優先順位などをよく検討することが大切です。
湿気や生乾きが心配
室内干しを前提とすることに抵抗を感じる方もいらっしゃるでしょう。
ランドリールームは、どうしても湿気がこもりがちになります。
湿気がこもると、生乾きの臭いや雑菌の繁殖などが心配ですよね。
室内干しでもしっかり洗濯物を乾かすには対策が必要です。
サンルームのように日射しが降り注がなくても、空気の流れを作ることが大切です。
具体的な方法については後述していますので、参考にしてみてくださいね。
ランドリールームの配置と広さの目安
使い勝手の良いランドリールームにするには、配置と広さは大事な要素です。
全体のバランスを考慮することが大切です。
配置によってランドリールームの役割は変わります
ランドリールームをどこに配置するかによって、その役割が変わってくることがあります。
求める役割が違えば、必要とする広さも変わってきます。
「洗う」「干す」「畳む」「しまう」
これら全てをランドリールーム内で行うためには、洗濯機、物干し竿、洗濯物を畳む作業台、収納などが必要です。
ですが、例えばランドリールームの隣にファミリークローゼットがある場合、「しまう」ための収納はランドリールーム内には必要ありません。
洗濯に使う道具や洗剤のための収納だけ設置すれば済みます。
リビングでTVを見ながら「畳む」作業を行いたい場合、ランドリールームに作業台は必要なくなります。
ランドリールームとリビングがなるべく近いと嬉しいですね。
このように、ほかの部屋との位置関係によって、ランドリールームに求める役割は変わってくるのです。
配置決めで大切なのは家事動線
求める役割と同様に大切なのが、家事動線を意識することです。
脱いだ衣服を洗濯機まで運ぶことを考えると、脱衣室は近い方が助かります。
また、キッチンが近ければ洗濯と同時進行で料理をすることもできます。
外干しもしたい場合には、外の物干し場へのアクセスも検討してみましょう。
家事動線を意識することで、ランドリールームの使い勝手がぐんと良くなるはずです。
広さの目安
ランドリールームに求める役割にもよりますが、広さの目安は、4人家族の場合、3帖程度です。
2帖では少し狭く、4帖あると余裕があると考えて良いでしょう。
3帖程度あれば、2mの物干し竿を設置することができます。
物干しスペースを最小限に抑えたい場合は、乾燥機(ガス式やドラム式洗濯機)の導入を考えてみるのも良いですね。
ランドリールームを作る際に配慮したいこと
配置と広さが決まれば、あとはランドリールームの内部をどう作るかです。
湿気対策についてもよく検討することをおすすめします。
収納は間取りと広さによって検討を
ランドリールームに家族が共有で使える収納スペースがあると、「洗う」「干す」「畳む」「しまう」という流れが一室で完結できます。
特に浴室の近くにランドリールームを設ける場合は、お風呂前にタオルや着替えを準備するのに便利ですね。
逆に脱衣室に十分な収納スペースがある場合、衣類収納のためにランドリースペースを広げるよりも、脱衣室とランドリールームを隣接させた方が効率が良くなります。
タオルや衣類用の収納スペースを取ることが難しい場合でも、洗剤や洗濯ネット、洗濯ばさみなどの収納スペースは必要です。
収納ニッチを設けると、ランドリールームそのものを広げなくても、必要なものをスッキリと収納しておけます。
生乾きを防ぐ湿気対策
ランドリールームを作るうえで特に気になるのは、湿気対策ではないでしょうか。
湿気が滞って乾かないのでは?
生乾きの臭いや雑菌の繁殖は大丈夫?
洗濯物が濡れた状態が長く続くと、臭いや雑菌の原因となります。
つまり生乾きを防ぐには、洗濯物がなるべく短時間で乾く環境を作れば良いのです。
大切なのは、ランドリールームの空気を循環させること。
以下の対策をいくつか併用すると、洗濯物が早く乾きますよ。
〇 通風用の窓を設ける
〇 出入口を引戸にする(通風のために開放しておける)
〇 調湿効果のある素材で仕上げる
〇 エアコンを設ける
〇 サーキュレーターを使用する
〇 除湿機を使用する
事例紹介
ランドリールームを取り入れた間取りの一例をご紹介します。
ご検討の際の参考にしてみてください。
事例 1) 回遊性を活かしたランドリールーム
「洗う」「干す」ことをメインとしたランドリールームです。
回遊性を活かして、タオルや下着用の収納はランドリールームと洗面脱衣室を繋ぐ廊下に。
外の物干し場へのアクセスも抜群。
キッチンやリビングからも近いため、他のことをしながらでも効率良く洗濯ができますね。
ランドリルームとリビングの境には引戸とバーチカルブラインドがあり、急な来客時には視界や洗濯機の音を遮ることもできるようになっています。
事例 2)外干しも簡単 コンパクトな家事動線を実現するランドリールーム
こちらのランドリールームの役割は「干す」と「しまう」。
ですが、縦に並んだユーティリティスペースで洗濯家事の全てが出来てしまう間取りです。
ランドリールームには収納力抜群の可動棚。
乾いた洗濯物をすぐにしまえるので、あっという間に家事も片付きます。
ウッドデッキへの出入り口を開け放して洗濯物を外に出せるように、引き戸を採用しているのもポイントです。
さいごに
洗濯を効率化し、家事の時短にもストレスの軽減にも繋がるランドリールーム。
忙しい共働き世帯、子育て世帯にとっては、他のスペースを削ることになっても取り入れたい空間かもしれません。
ただし、ご家庭によって必要な間取りや広さ、設備は異なります。
家を建てる時には、あれもこれもとマイホームへの憧れを詰め込みたくなるもの。
五年後、十年後、そしてもっと先の暮らしをイメージしながら、様々な希望に優先順位をつけて検討することが大切です。
ランドリールームは、家事を効率化したい方にこそおすすめです。
手が空いた時間で、何か新しい趣味が始められるかもしれませんね。